前回↓は会場に着くまでの話が長くなりました.
hokkai-nekotaro.hatenablog.com
今回からいよいよ本編です.
三菱大夕張鉄道 旭沢橋梁
前回は駐車場付近でしたが少しに南に歩きます.するとすぐに右手に橋が見えて来る橋が三菱大夕張鉄道旭沢橋梁です.
とりあえず近づいて写真を撮った.見て分かる通り特徴はその形です.トラスド・ガーダー形式で珍しい工法です.おそらく日本でここだけ??
少し脱線して解説
脱線して少し説明するとこの橋はトレッスル桁のガーター橋であり,トラス構造によって桁を補強しているものです.一つ一つ説明すると
- トレッスルとは架台のことで末広がりに立った橋脚の上に桁を載せる構造です.写真のようにスパンは短く河川に建設するのには適していませんが陸橋としては部材の数が少なくて済むため鉄道橋で多く使われていました.グーグル検索で画像を見てもらうとなんとなく雰囲気がわかると思います.(グーグル先生に丸投げ)
- ガーター橋とは所謂桁橋です.桁を橋脚に渡せば完成です.消しゴム2つ用意してその間に定規を渡してください.それが桁橋です!笑
この橋のデメリットはスパンが比較的長くできないことです.先程の消しゴムと定規の例で言うと,定規の真ん中に何でも良いので物を置いてください.おそらくグニャッとすると思います.短い15センチ定規ならまだしも30センチ定規を使うとかなり曲がってしまうと思います.これがスパンを長くできない理由になります.(今は技術がどんどん上がりスパンを長くできるようになってきています)この欠点をカバーするのがトラスです!- トラスド(トラス)三角形の骨組みの構造のことを言います.曲げモーメントがなんやらは割愛!色んな所で使われている丈夫な構造です.これを桁の下部に取り付けることにより強度をアップさせているんですね.
煩雑ですがこんな感じです.
少し長くなってしまいましたが話を戻します.
旭沢橋梁を観察
さらに,橋のもとに近づいてみます.
このアングルから見ると更にかっこいい!足元が悪いので滑落せぬように十分に気をつけながら橋に近づきます.
そしてこれが真正面から見た旭沢橋梁です.
この上を機関車が走っていたのか...
真横から見るとこんな感じ
部材一つ一つが太くなく石炭を載せた列車が走っていたようにはあまり思えません.
次は逆サイドから!
トンボと旭沢橋梁.
この写真を撮影した足場が下の写真になります.ダムの水があるとはいえ,高さがあり足がすくみました.
旭沢橋梁の延長は72.3mとのことですがとても長く感じるのはなぜだろう...
橋から転落した人がいた?
旭沢橋梁周辺にいると
旭沢橋梁
— 北海猫太郎 (@SasuraiNeko42) 2020年9月6日
まだ現役の橋を小学生の頃に歩いて渡ったという方のお話もたまたま聞くことができました。その方の話によると橋から落下して亡くなった方が二人ほどいるらしい… pic.twitter.com/gopKazfstK
という話を聞くことができました.湖面がある今でさえ怖いのに水がなかった当時にこの橋を渡るとは...危ないので渡ったらダメですよ!(渡ってみたいとは思うけども高所恐怖症なんでできない)
驚いたのは転落して亡くなった方が二人ほどいるということです.確かにあの高さから落ちたら死にますよね.そもそも,歩いて渡る人がいたということがすごい.今と時代は違いますが.
旭沢橋梁とともに沈む橋
旭沢橋梁に写真に何度も写っている橋は旧国道の橋,明石橋になります.ダム建設によって新道へと切り替えられておりこちらの橋も旭沢橋梁とともに水の中へと沈みます.
旧国道から見る旭沢橋梁と現道
旧国道の橋は上り下りで1つずつ架けられており建設年も違うと見られます.手前の橋は昭和27年10月完成となっていますが,もう一方は不明.橋名板を確認していなかったことが悔やまれます.
- 明石橋1 ラーメン橋.歩道有りで幅員も広いことからこちらの方が新しいと思われる.
- 明石橋2 上路式トラスアーチ橋.昭和27年10月完成
次回は明石駅跡です.