前回
hokkai-nekotaro.hatenablog.com
地下通路を通ってホームへ
旭沢橋梁を見た後は南に進み,大きな橋の下を通過します.この橋は白銀橋といいシューパロダム建設に合わせてつくられた橋です.
夕張シューパロダムの建設
#1で説明し忘れていたので夕張シューパロダム建設について少しばかり補足.前回の旭沢橋梁など夕張市鹿島地区がダムに沈む前は大夕張ダムというダムがありました.これは灌漑・発電用のダムであり洪水調節機能は期待できないものでした.ここに,大水害などが発生したことから洪水調節機能を備える多目的ダムとして夕張シューパロダムは建設されました.現在でも大夕張ダムは貯砂ダムとして水没しながらも役割を果たしています.
実は当初の予定では2004年完成でしたが鹿島地区からの反対運動によって2015年の竣工になりました.生まれ育った故郷が沈んでしまうとなると反対するのも共感できます...これ以上は話が逸れ過ぎるのでまたの機会に.
橋を超えて歩くと右手に少し広い空間があります.その先には小高くなった場所がありトンネルのような構造物も見えます.この空間こそ明石駅跡になります.木がなく広くなっているのも駅前の広場だったからでしょう.
もう少し近寄ってみる
コンクリートの構造物が埋まっている.駅舎の基礎だろうか?それにしては細長い.階段のようにも見える.
ポッカリと開いた穴が興味をそそる.早速中を覗いてみると奥で右側に曲がっている.通路には小さな木が散乱しておりダム満水時にはここも水没しているのでしょう.壁の左右には長方形の穴が数箇所均等にある.おそらく蛍光灯が何かの照明があったものと思われます.その証拠に手前の穴からは電線らしきものが見えておりそれぞれの穴にも繋がっているものと見られます.
写真を見て気づきましたが天井にも穴が空いています.ここも照明だとしたらかなり多く感じますね.
散乱した木がここまで水が来ていたことが分かる.
配線が見える.
明石駅の地下道
そういえば地下通路に気を取られて忘れていましたがその前にある階段.
土が堆積して階段の部分が埋まっていますが少し足で削ってみると階段の一部が出てきました.ネットで検索してみると現役時代のこの階段を確認できました.
1965(S40) 改札口から見た地下道
引用元:大夕張鉄道と駅、三菱バス
こちらのサイトには夕張市鹿島地区を始めとした大夕張当時の貴重な写真が数多くあり,本レポートの執筆の参考にさせていただきました.
鉄道廃止から時が経ちますが当時とあまり変わらないように思います.しかし,今は二色に塗り分けられた壁が分からなくなっており,風化は確実に進んでいることを感じました.
地下通路内には本当は入りたかったのですが人の目を気にして入れませんでした...一人なら絶対に入ってましたね.しかし,何かあってこのイベント関係者に迷惑をかけたくもないですしね.
地下通路の右横を登ってホーム跡へ行きます.
地下通路ホーム側出入り口は崩壊しており人が通れない状態になっていました.
写真奥に白い柵がありますがおそらく廃線跡をサイクリングロードに活用した際に設置したものと思われます.
地下通路階段部分の中を覗いてみましたが崩壊したコンクリート片や鉄筋が見えるだけでした.
別角度からもう一枚.左奥が旭沢橋梁で柵も廃線跡をなぞっています.
明石駅跡には当時を思わせる地下通路,ホームへと続く階段が残っており,とても見応えがありました.
三菱大夕張鉄道 明石町駅 跡
— 北海猫太郎@毎日勉強する✎ (@SasuraiNeko42) 2020年9月7日
ホームには地下通路から階段で登る構造のようです。
①ホーム側から崩れた地下通路
②駅外側からの地下通路。突き当りを右に登ると①
③地下通路入り口と階段
④①を手前から撮影、奥が線路跡 pic.twitter.com/2QNjmRoA8H
明石駅を後にするとすぐに目についたものがある.それはワイヤーロープです.誰もが一度は見たことが必ずあるだろうというものに何人もの人がカメラを向けたり興味深く眺めている.それもそのはず,ワイヤーロープはこのような状態になっていた.
倒れているだけならまだしも,ワイヤーロープの上に支柱が乗っていたりとすごいことになっている.水没した際に浮力が発生し乗ったのかなぜこうなったのかは想像がつかない.
所詮は人の作ったもので自然の力は勝てないのかもしれません.
明石沢橋梁
明石沢橋梁は明石駅から歩いてすぐにある橋.サイクリングロードとして活用したためきれいな状態で残っており渡ることもできます.
写真奥が明石駅跡.舗装もされており状態はよい.
帰りに横から見ると
ん?橋の中央に何かある...
蜂の巣だ!!
拡大してみた.黒いつぶつぶはハチ?そうだったらすごい大きいから違うか...
幸いにも橋を渡っているときにハチは見かけませんでしたし,襲われた声も聞かなっかたので良かったです.駆除済みなのかな?駆除するなら蜂の巣がそのまま残っているとは思えないけれども.
水中へ続く道
このツアーは渇水期に行われているものの水没前に完全に戻るわけではなく一部は沈んだままです.その境界線まで行ってみました.
道路が水中に続いているのはなんとも不思議な感じがします.海ではないですが波際が音を立てています.
水中でもオレンジのセンターラインが見え,道が続いていることがわかります.
奥には白銀橋が見えます.冒頭で紹介した白銀橋と同じ名前ですがこちらがもともと使用されていた下路式のアーチ橋です.
近くにはどこからか流されてきたであろうレールを発見.あまり大きくないので森林鉄道のものなのかな?夕張の森林鉄道についてはちゃんと調べたいなと思っています.(探索にも行きたい)
森林鉄道の話に関連して写真のような林道の看板を発見.壊れてしまっていますがなんとなく内容は大体分かりますね.
鹿島林道?大夕張営林署と書いてあったのだろうか...
幅員などなど
またこんな看板も
こちらははっきりと大夕張営林署と書かれています.
盗採すると...なんて書いてあるので入林の際のルールでしょうか.
杭の雰囲気からして大きな案内看板があったと予想.当時の姿を一度も見たことのない私には想像しかできません...
看板ばっかり紹介していますがあと一枚だけ紹介させてください.
鹿島砂金採取跡地案内図.昔は砂金を取っていたんですね.看板があったときに跡なので砂金を取っていたのはかなり昔でしょう.
付近で撮れた関係ない写真も紹介.
バーゲンなんちゃら
ダムの水面にはお魚さんの姿が
コイでしょうか?子供の頃友達と釣って遊んだのを思い出しますね.
公園跡?
公園跡らしき場所.民家かもしれません.なぜ公園跡だと思ったのか分かりませんが探索メモにそう書いてるのでそのまま採用します.
蛇口やコンクリートの枠があるのみです.
蛇口がぽつりと.ClassicChromeの色味が好みです.
これにて#3は以上です.次回は鹿島地区の市街地を紹介します.
次回→ https://hokkai-nekotaro.hatenablog.com/entry/2020/12/30/205314