先日,芦別森林鉄道を調査していたところ旭沢橋梁でしか確認されていないトラスドガーダーと思われる橋を発見しました.その時Twitterでツイートをしましたがここで改めて整理しておこうと思います.
まず,発見時のツイートを以下に示します.
芦別森林鉄道 霞橋
— かえで@毎日勉強する (@SasuraiNeko42) 2021年1月23日
これってもしかしてトラスドガーダー??
本構造形式は旭沢橋梁のみだと思っていましたが... pic.twitter.com/HzxVPULZkc
芦別森林鉄道の「霞橋」という橋の写真のようで斜めからの撮影のため構造を詳細に確認することはできませんが,私が見る限りトラスドガーダーに見えます.
左:旭沢橋梁
— かえで@毎日勉強する (@SasuraiNeko42) 2021年1月23日
右:霞橋
細かな差異はあるものの基本的に同じ構造に見えます。 pic.twitter.com/gPRWmEMH1b
もしかすると旭沢橋梁の写真が誤って使用されたのではないかと思いましたが上のツイートで比較してみると橋脚の上部の構造が異なっており別の橋梁ということがわかります.今見ると上部のIビーム(I形鋼)も旭沢橋梁に比べてウェブの部分が短いようです.
カラー化した霞橋の写真.トラスドガーダーの末広がりの鋼トレッスル橋脚,I形鋼(プレートガーダー),トラス構造による補強,という特徴に当てはまる
しかし,ネットで調べる限りトラスドガーダー橋は旭沢橋梁のみであり他の橋での記述は一つも有りませんでした.
もし旭沢橋梁以外のトラスドガーダー形式だとしたら大きな発見ではないかと思い,ツイートしましたが実際これはトラスドガーダーなのでしょうか...
今後さらなる調査を進め真実を明らかにしたいと思っています.霞橋はおそらく撤去,破壊され現存していないと思われます.というのも,私よりも廃道や廃線,森林鉄道などに詳しい方が多くいる中で今まで発見されていないはず,と思っているからです.
また,現存しているならもっと早く発見され,トラスドガーダーだとしたら話題にもなっていたのではと思いました.
鉄橋だと思われるので人為的に撤去していない限り何かしら橋の一部などが残っていると考えられます.また,写真を見る限りコンクリートの基礎も確認できるので橋桁が撤去されていても基礎だけでも現地では確認することができるのではないかと思います.(一番知りたいのは上部の橋桁部分ですが...)
現存していなければ文献による調査や当時を知っている方への聞き取り調査がありますが聞き取り調査は今の世の中の状況では厳しいでしょう.また,森林鉄道があったことは分かっていてもその中の橋の名前やその構造形式をしている方は少ないだろうなと思っています.
文献としては芦別森林鉄道は総延長72kmの道内最長の森林鉄道だったため比較的文献なども残っていると思われます.また,木材の運搬だけではなく石炭の輸送も行っていた時期もあることから様々な方面から調査が可能かもしれません.
芦別森林鉄道「霞橋」,旭沢橋梁以外のトラスドガーダーについて何か知っている方がいれば教えていただけると非常に嬉しく思います.
ーーーーーーーーー追記ーーーーーーーーー
ブログ公開後ご指摘を頂いたので補足します.
トラスドガーダーは旭沢橋梁だけではない
私の勉強不足でトラスドガーダー橋は旭沢橋梁以外はないと思っていましたが,どうやら同じく大夕張鉄道には開業当時,複数のトラスドガーダー橋が存在していたそうです.そして,そのうちの旭沢橋梁だけが唯一現存しているとのことでした.
出典:北海道林業技士会
霞橋を発見した「芦別森林鉄道の竣工記念絵葉書」について↓
https://blog.canpan.info/sinrinkankyo/img/51/asibetutetudo1.pdf